F35 Crossdresser 流れ的にはトトのお悩み相談室な感じだった。 滅多に喋らん∴トトの口から毀れた一言は強烈で、私はその事について考えていた。 考えながら喋った。何時ものことなんだよ考える事と喋る事がシナプス的なやつでぐるぐるまきになってるのは。 で、何て言ったんだっけトトは?全部が手に入っちゃって、憂鬱、みたいな感じの?そういう?事を言ってましたねぇ〜 「全部が手に入るってさ…よーわからんわぁあわからんわぁ〜わからんわ!」 私の喋り方は普段からこうっす。普段というのはトト以外の奴にもって意味でもな。 テンション高いのだと勘違いられて避けられることもあれど実は! 繊細で可憐なんです、とかバカじゃねえのバカじゃねえの。 それはそれとして。 「逆にその、思いあがってる?トト先生に?鉄槌を?アイアンなハンマーを?経済制裁を?食らわしてやりたいぐらい。  つうかね、何を手に入れてるのかと。考えてもみなよどこかが満ち足りてるって、言い切れますか?と。  この世の、どこかしこ、どこにもね?『幸せすぎる』なんてがっかり垣間見えた物は無いし、  『不幸すぎる』なんて甘々な物も存在してないと!思うわけでしてね?  べらぼうめ!ってね?そもそも、生まれた地点でもうトトでさえも、本能的に、  全部を手に入れる不幸というのから、ある程度逃れているのですわ。本能。  本能…人間であるゆえ、的な、的なね?そう、そう。本能生き残り!  本能生き残り組め!もれなく生きやすい生涯なんだろ〜と思うぞ!?  お、思う!思うぞ?え、えーと、思う故に…」 私の、この、言葉を繰り返すクセは喋ってる間に次の言葉を考えるためについたクセなんだなあ、 浅はかだなあ、と暗に言われているかのような真っ直線なトトの眸…! 随分見上げなければならない場所のトト!その眸…!眸眸眸眸! ああそのトトの顔、トトフェイスが、すこし緩むぞ。緩んでいくぞ。何故だ!? とおもったら緩んでるわけじゃあなかった!喋ろうとしてる! よし馬鹿にしてやろう!トトの声を馬鹿にしてやるぞ! あっ喋る。トトが喋る。何て喋るの?聞かせて聞かせて。 「ご.jpg め.jpg ん.jpg 。.jpg そ.jpg う.jpg い.jpg う.jpg 、.jpg  気.jpg の.jpg 長.jpg い.jpg 、.jpg 抽.jpg 象.jpg 的.jpg な.jpg  事.jpg が.jpg 聞.jpg き.jpg た.jpg く.jpg て.jpg 訊.jpg ね.jpg  た.jpg ん.jpg じ.jpg ゃ.jpg な.jpg か.jpg っ.jpg た.jpg ん.jpg  だ.jpg ….jpg 」 なんつう声だ。慣れてはいるが、それでもなんつう声だ。 笑っちゃう、という感じじゃない。怖い、って感じでもない。いや、怖い。 一つ一つの言葉音節に単なる文字だけでは形容しがたい物が含まれるよに、 言うなれば文字と画像のファイルサイズ差というか、それくらい存在感に差がある。 まるで一文字づつ、通常フォントでない画像があるかのようだ…どせいさんか何かのように… いや違うだろ。パソコンとかいけすかねーって言っておきながらこれはないわ。どんびきだ。 設定をちゃんと事細かにメモって…いや、失言でした。違う。違うの。それは私の話じゃない。 間接的に私の話だがさ。本体だよ本体。言っちゃったよ…言ってないよ。メモとかわからねーなんだそれ。 … ああもう。集中してたのにトトが何を言ったのかという事に意識が行かなかったじゃないか。 普段ならこのとんでもない声の印象を掻き分けてちゃんと意味だけ掴めたのにね? やっぱ精神的に正常じゃねーんですねー精神じゃなくて肉体か? まあいいや。トトが何を言ったかはどうでもいいや。時間を早く進めよう。 考え事をしよう。 「秘密ってさあ。何にするつもりなの?」 言葉が足りない。ちょっと声が出しづらい…なんでだ?なんだかね、ゆるゆると心臓から血が巡り続けるペースで 息の吸う吐くが行われてるかのよーな、声を出すための空気が喉からだだもれていくかんじ… きゅううう、はっ。よし。 「賞金は良いんだよ。わざわざフツーの拷問部屋だけじゃなくこんな部屋まで作れちゃうんだから  まぁ困りはしないっしょ。でもね、秘密って何なの?って事に帰結…帰って終わる。ちがう。帰って結ぶ」 きゅううう、 「ああでも、今のトトなら秘密を作ることも出来るかもね!私に火をつける事にしちゃったりしてさ、  そのことを電話で伝えりゃふつうに死活に関わる秘密じゃんね。でも、そういうのはダメか。私爆ったことないしなぁ、  花火クラスのボムだったら泣くわぜ?っていうか、今私は、結構湿気ってるわけで、というかもう、  ふやけちゃってるんだけど、それでも私って爆れるのかなって」 うぅ。おかしい。おかしいぞ。本当に。なんだか。脳からの命令がちゃんと届いてない。 やめなさい。まずいよ。なにこれ?やばいんじゃない? 「ちょ、トト。本当にやばいって」 変だ。カカトが。つーか下半身がおかしい。体制は、そうね、 楽な体制求めて色々工夫したけど結局重力には逆らえずね?やっぱり下半身からおかしくなってる。 疲労でもう感覚なんて無いも同然なんだけどそれでもやっぱりおかしいのが分かる。 皮膚感覚以外の感覚。いや、実はしっかり痛い。痛いが…この痛みを形容するならば…いや、だめだ。そんなことしたらだめだ。 眼を逸らそう出来るだけ。しかし意識した私から、眼を逸らそうとすると余計に、比喩の上でさえ無視できない感じがする。 開けちゃダメと書いてある箱がありましたら、という。 『強烈に焼けるような』『強烈に凍えるような』 『痛覚を中心に自分の心が全然違う物に形成されていくかのような』 『丸い刃物が刺さったまま横に回転してるような』 『ジメジメした薄暗い』『ぶよぶよに腐』 『痛い…痛い。痛くない』 はぁああっ いやだー いやああぁいやだぁぐうぅうぅ だだしてだして だしてくれえー いやしぬんじゃね?しんじゃうって あっ はぁああああっふぅうう あっ、うぅ、くぅうぅ ふぅうう、ふううぅうぅう…。 あぁああ…よかった…。 生きてて良かった…。 あぁー…。すごく足先から順番に、熱が私のてっぺんめがけて凍えていくみたいです。 言うなれば恍惚であります。この瞬間がなけりゃこんな遊びやってらんねえよ本当に。 というか、恍惚でありました。文字だとわかんないと思うので一応補足しますが、七行ぐらい前の、 「はぁああああっ」の所で私はトトに掬われました。誤植ではない。 トトも恍惚とした表情で… 恍惚とした表情じゃ、ない。すごく辛そうな顔をしてる。 私はこの満足感&虚脱感オレみたいなのが捻じ曲がった箇所に膨らんでいく物を無視できず。 ふざけるな。ふざけるな、と思った。 「ふざけるな…」 思っただけじゃなかった。既に口から出ていた。同時にトトを強く睨みつけてもいた。 トトはびくっとなった。びくっとなって、慌てたような顔になったけど、 悪くてSい笑みに変わっていった。変わった。 「はぁああー…」 不満だな。ふ・ま・ん・だ、な〜と眼で訴えてみた。 少なからずトトに伝わったようで、申し訳なさげに俯いた。それが不満なんだと何度言えば…。 というのも聞き飽きてるだろーと思って何にも言わなかった。 場面は飛んで、 夕餉でありんす。グラタンでした。おいしゅうございました。 あまりの疲労に箸とスプーンが上手く持てないだろうかと思いましたが、まあ意外とそうでもなかったです。 トト氏はいわゆるところの、良妻賢母とゆふやつであり、いや実際妻でも母でもないけど。 このだだ広い家を、屋敷というほど広くはないけど、やはりだだ広いこの家を、ほとんどちゃんと管理してる。 家政婦さんは一人。本来ならどれだけ雇っても持て余すぐらいだと思うけども、一人。 だからまぁつまり、この家のメンバァとしては三人なんだ。そして、家事をしないなんてトンデモ人間はどこにもおらん。 素晴らしい。もっと甘やかしてください。 あぁ、あのね、家政婦さんはフツーの人。フツーの人よりちょっと地味な家政婦さん。だから真の意味で地味だと言えよう。 まぁ居ても居なくてもあんま差無いんで割合ます。確かにね、二人で生活するにはとんでもなく広い。 それが三人になった所でそうでもなくなるかね?と。いや、良い人なんだよ。でもフツーだなあ。その良い人ぶりに関しても。 そういう訳でまあ居ないことにして話を進めます。 まあなんだかんだで自分の場の中で独立して動くキャラが二人超えるとね。 ただでさえちゃんと話に沿えてるか…いや、失言でした。 え?トトの家族?いや家庭の事情に踏み込まれるのは嫌じゃね? 登場人物紹介 『○○○麒麟』 (○○○きりん) 年齢  /献血できるようになるまであと二年 身長  /13Xcm 体重  /献血できるようになるまでおおよそあと二十キログラム 性格  /災厄 好きな物/色々あります